【ギックリ腰 - その2|呼吸すら辛い激痛からの脱却に鍼灸治療がどう貢献できるか】
- 田澤 大輔

- 2023年9月4日
- 読了時間: 4分
更新日:8月26日
前回は、ぎっくり腰になった直後にまず行っていただきたいこと、心に留めていただきたいことについてお伝えしました。
今回は次のステップとして、実際のぎっくり腰に対する鍼灸を中心とした治療についてご説明します。
受傷筋肉の働きと治療時の体勢
ぎっくり腰は強い痛みと恐怖を伴います。
傷ついた筋肉は炎症を起こし、熱を持ち激しい痛みを伴います。
受傷直後は痛みが強いため腰全体が痛むように感じられ、どこが本当の患部なのか患者さまご自身でも分かりづらいことが多くあります。
さらに原因となる筋肉は一つとは限りません。
今回はその中でも身体の深部にある「腰方形筋」と「多裂筋」を例に挙げます。
腰方形筋 … 体幹(腰椎)を後方や側方に反らす作用
多裂筋 … 首から腰まで背骨をつなぎ、支える作用
いずれも腰回りでとても重要な働きを担っています。
ここでいう「働き」とは、重いものを持つようなパワーではなく、立位や座位で体幹を支えたり、小さな範囲で体を動かすといった日常動作を支えることです。
こうした筋肉に不具合が生じると、生活全般に支障をきたし、後々大きな困難につながりかねません。
施術はまずベッドに横になるところから始まりますが、それが難しい場合も少なくありません。その際は、時間をかけてゆっくりと姿勢を整えます。
理想は「膝を立てた仰向け」からの状態確認、次にうつ伏せになります。もしそれも難しい場合は、座位での治療を選びます。
ここで大切なのは、できるだけ身体がリラックスできる体勢をとり、落ち着いた呼吸を意識することです。
仰向けでも座位でも、筋肉の緊張が和らぎ、痛みが軽減するポジションを見つけ出して誘導していきます。
施術中に痛みや恐怖心が先行してしまうと回復を妨げるため、落ち着いて一緒に取り組んでいきましょう。

患部(メジャーパート)とその関連箇所への適量刺激
ぎっくり腰で損傷しやすい腰方形筋・多裂筋には、それぞれ関連するツボ(肓門・志室・腎兪・大腸兪)へ弱い刺激で鍼治療を行います。
また、患部を守ろうとして過緊張を起こしている下肢の筋肉(ハムストリングや下腿三頭筋)、そして腹部の腸腰筋などへは、中程度の刺激で鍼やお灸を行います。
ここでのポイントは、
患部への刺激はほとんど感じない程度
関連箇所には、筋肉のこわばりがスッと緩む程度
鍼灸は、わずかな刺激でも十分に患部へ作用します。
また、過敏な患部は触れるだけで強い痛みが出るため、丁寧で優しいタッチを常に心がけています。

患部以外・マイナーパートのフォロー
ここまでを「メジャーパート」とし、一度状態を確認します。
そのうえで、さらに痛みや緊張のある部位を探っていきます。
患者さまの多くは、徐々に「痛みの中心部」を認識できるようになりますが、実際には患部から離れた部分に強い緊張を抱えていることも少なくありません。
こうした「マイナーパート」にある筋肉の異常を探り、緩めることはとても大切です。
鍼灸で疼痛を和らげた後、コンディショニング整体で緊張を緩和していきます。
炎症自体にはどうしても時間が必要ですが、整体で身体をリラックス状態へ導くことが、脳に良い刺激を与え、炎症の鎮静や回復プロセスを促進します。
ここでのポイントは、その人の筋肉の状態に合わせて適切なアプローチを行うことです。
マイナーパートは、ある程度しっかりと圧をかけて筋肉や靭帯を緩める場合もあります。
状態を見極め、それに適した方法・強さ・治療頻度を選ぶことが大切です。
ギックリ腰治療の流れと改善の目安
以上がぎっくり腰に対する治療の一例です。
人によっては患部だけでなく、マイナーパートの施術が先行することもあります。
私は患部だけにとらわれず、その背後にある隠れた緊張や異常を整えることを重視しています。
改善の目安としては、3〜5回の施術を目安に考えています。
ぎっくり腰で動けず日常生活に困っている方、もう繰り返したくないとお考えの方、ぜひ一度ご相談ください。
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